いじめを軽く扱わないで

『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』と言う、
小説原作のアニメがある。

本来、このアニメを観る予定はなかった。
各方面で令和の笑ゥせぇるすまんと言われていて、
私の嫌いな1話完結だと分かり切っていたので。

それでも、今子供に大人気とのことで、
子供向けは好きだし内容が気になったので試しに観ていた。

『笑ゥせぇるすまん』と感想はほとんど同じ。
風変りな主人公(この作品は紅子)とゲストのお客がいて、
こちらは子供向けとしてよりマイルドな内容でも、
その回のお客がどんな人物かに関わらず、
ちょっとばかり言いつけを破った・知らなかっただけで
精神的・身体的な災難に見舞われてしまうけれど、
その裏に秘められたテーマが本筋とされているのは2作とも同じ。

また、毎回違う駄菓子が出てきて、
ワクワクするところが受けているみたいだし、
そこは普通にすごく良い印象なんだよね。

ところが、この作品は「ウルフまんじゅう」と言う問題作の存在が……
いじめられっ子の洋介が、
食べるとオオカミのような強い力が手に入る
ウルフまんじゅうを買って食べた結果、
逆にいじめっ子をいじめるようになって先生に怒られ、
挙句次第に体がオオカミ化していったため紅子に縋ると、
洋介は「本当に欲しかったのは力ではなく勇気」と悟り、
ウルフまんじゅうの力を手放すと言う内容だけど、
皆さんはどう思うかな?

いじめられた経験のある立場にとっては、
ただただ不愉快な話だった。
復讐は良くないと言いたいんだろうけど、
悪いのはどう考えても先にいじめた方だよねぇ……
人をいじめておいて反省の色がない悪ガキも、
いじめっ子のいじめには気付かない癖に洋介には怒る先生も腹立たしい。
この世からいじめがなくならないのは、
このような話を作るような考えがなくならない所為だと思った。
いじめっ子が成敗される回は既にあると言うなら、
こちらも先にいじめた方が悪いと言うことが前提の展開なら良かった。

ついでに、この回の内容はオオカミのイメージも悪くすると思う。
オオカミの力はない方が良いと言う、
まるで正義なき力の象徴のような扱い。
この作者からもオオカミへの偏見が見て取れて悲しくなる。

なお、紅子はその癖「しっぺがえしメンコ」の回では
お客に復讐をさせようとしていて、
「ウルフまんじゅう」の主張と矛盾が生じている。
他にも「クッキングツリー」の回では毒親から子供を助けたのに、
「シェフ・ショコラ」の回では助けないなど、
これでは作者が何を訴えたいのかが分からない。

内容に一貫性がない上、
子供向けだからこそ尚更不適切と思われる内容があることから、
有名でも当ブログではあまり好きではない物とさせていただいている。

余談だけど、『笑ゥせぇるすまん』も好きじゃない。
世の中うまい話ばかりじゃない」と言うテーマを
読み切りや続き物ならまだしも、
毎回ゲストが変わる1話完結で何度も主張されても、
その都度微妙な気分になってしまうだけ。
やっぱり私は、善き者は救われ、悪しき者は裁かれる
勧善懲悪でないとダメらしい。
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2 Comments

ツキカゲ

R・チョロさん、おはようございます。早朝のコメント、失礼致します。🙇 私は、この「ウルフまんじゅう」の話で、この作品が大嫌いになりました。

「子供達に大人気」「狼を扱った話」という事で、アニメと小説を観ましたが、仰る通りですね。

私も、いじめられっ子だったので「狼の力を得た洋介が、いじめっ子を倒す」「テーマは"いじめをすると、やられた方が仕返ししたくなる&相手を恨みたくなるから、いじめは良くない"」という話だと思って期待しましたが、全く逆の展開になった上「紅子は、いじめられた人の気持ちを全く理解しようとしない、超絶ムカつく女」の一言でした。

未だに私は「仕返しをしてやりたい位、自分をいじめた相手(30年前の事なのに)は、絶対に許してない」と想い続けてるので、この話は全く共感が出来ません。

しかも「何故、いじめがテーマなのに狼🐺が出て来るのか、全く理解不能」で、狼🐺グッズを集めて御守りにしている自分にとっては「狼🐺を好きでいるのは悪い事」とも取れるので、凄く不愉快でした。

まず「狼🐺の力が体に入ると凶暴になる」という設定自体が非科学&非現実的ですね。実際は「自律神経が不安定になる」「女性の場合は月経前(PMS【月経前症候群】)のイライラもある」のが原因なので、狼🐺は全く関係ないです。

昔、心霊関係の本に「何でもかんでも人や動物や霊のせいにするのは良くない」という事が書いてあり「"ウルフまんじゅう"の話の紅子は、凶暴になった理由を狼🐺のせいにした卑怯者」「子供や大人にとって悪影響を及ぼすキャラ」にしか見えなかったので、この話で「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」のイメージが悪くなり、大嫌いになりました。

この話を母に話したら「お前の従兄弟がいじめに遭った時、彼のお母さんが"やり返さないと駄目!"と助言し、やり返し👊たら、本当にいじめられなくなった」「いじめられたら闘ってやり返す事も大事だから、ウルフまんじゅうの話はおかしい」と不評です。
アニメは10分弱放送なので、この時間内にいじめをテーマに話を作るのも無理がありますね。

私もウルフまんじゅうの話があるから「いじめが無くならない」「狼🐺を悪者だと思う人間が増える」と思ってます。
主役の紅子は、話によっては依頼人(?)への態度を変えるので、尚更「テーマに一貫性を感じず、ただ紅子のイメージが悪くなる」という印象しかありません。

作者は「猫🐱&お菓子&オカルトが好きだから、この作品を作った」との事らしいので、読者の為というより自分の趣味だけで話を作ってるのでは?と思います。

「いじめを軽く扱った話」「内容に一貫性が無い」等、明らかに子供の教育上良くないのに「"Eテレ"という、教育番組が多い放送局で、再放送をしながら続けている」という事が、1番の不満ですね。

同局では「いじめをノックアウト」という、子供達がいじめについて考える教育番組(アニメではない)がありますが、視聴者はこちらの方を観て欲しいです。
みんなで話し合ってるし、ウルフまんじゅうの話の様な不快感は全くありません。

「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」はいい加減終わって欲しいですし、もっと子供達の為になる番組を放送すべきですね。








  • 2024/04/05 (Fri) 06:20
  • REPLY
R・チョロ

R・チョロ

Re: タイトルなし

ツキカゲさんの本作に対する強い思いが伝わりました。

私は基本的にいじめや動物や男女差別に関しては厳しいです。
『銭天堂』に関しても、様々な点で引っかかったのが残念です。

特に「ウルフまんじゅう」の回はいじめを擁護するし、
オオカミがとばっちりを受けるし、救いようがないですね。
ツキカゲさんの仰る通り、洋介が狼男になっていじめっ子をやっつけ、
「いじめをするとこれだけ恨まれる」と痛感して
いじめっ子が反省する内容なら見られたのに。

「猛獣ビスケット」にもオオカミの絵柄のビスケットがありますが、
「ウルフまんじゅう」は後の回との矛盾にも繋がっているので
存在そのものが不要だったと言い切れるでしょう。
オオカミを好きでいること全く悪くありません!
未だにオオカミを童話のイメージで見る創作者が多いのが問題なのです。

回によって主張が変わる一貫性のなさに加え、
いじめに対して真摯に向き合わない点で、子供向けとしてはどうかと思いますね。

私も小学生低学年の頃はいじめられっ子でしたが、
同時にNHK教育(現Eテレ)を見るのが毎日の楽しみでありました。
今の子供達は20年前よりもネットやサブスクが身近になっているでしょうが、
今も尚Eテレは子供たちへの影響が強いと思われます(『銭天堂』もサブスクがありますし)。

にも関わらず、いじめを軽く扱い内容に一貫性のない作品を放送するのは、
少なくとも大人の立場としては見てもらいたくないですね。

いじめがテーマの作品では1973年の『けろっこデメタン』があるのですが、
主題歌に「意地悪する奴嫌な奴、背中を向けるな飛びかかれ」という歌詞があり、
中学生の時に初めて知った時はとても勇気を貰ったものです。

でも、この作品の「ウルフまんじゅう」から伝わるのは、
いじめられる側にも非はあるし、オオカミは正義なき力の動物」ということだけでした。