良し悪し激しい冒険アニメ『ふしぎの海のナディア』

生まれ故郷を探す少女、ナディア
行方不明の父親を探す少年、ジャンの道中と、
ネオ・アトランティスとの戦いを描いたアニメだね。
原作は未見の立場から、ネタバレ込みの感想。
キャラクターがそれぞれ明確な目的を持っている。
ストーリーはテンポ良く進み、
分かりやすさと深みを両立してる。
稀に現在の全年齢対象の基準から外れる描写がある程度で、
基本的には誰でも視聴できる。
声優や音楽、一部を除いた作画の質も高い。
この辺りが世間でも高評価となっている要因だろうね。

特にノーチラス号編は
キャラの行動の裏付けも伏線回収も丁寧で、
ギャグは笑えてシリアスは深いと飽きることがなく、
毎回ワクワクしながら見ていた。
短所は一部のキャラの言動くらい。

悪名高い島編とアフリカ編は確かに酷かった……
作画はガタガタ、話は進まない、ギャグは滑る、
ナディアの性悪は悪化、キングの扱いは胸糞、
ノーチラス号編ではありえない唐突な掌返し
と、
とにかく悪いところを挙げればキリがなく、
とても22話の神回と同じアニメとは思えなかった。
34話がほぼMADを流してるだけの虚無だったのも、
作画があまりにも放送に堪えないレベルだったため
監督が怒ってカットしたせいらしい。
そこまでするほどなら逆に見てみたいんだけど😅
ただ28話だけは別!
作画はともかく内容は「こういうのでいいんだよ」の極みだった。

キャラクターは結構アクが強い方だね。
主人公のナディアは極端な気分屋、矛盾だらけの主張、
平気で浮気するなど引っかかる言動ばかりで、
同性としても全く共感できないと言わざるを得ない😅
マリーもロリキャラなのにルックスや性格の可愛さがイマイチ。
無邪気っ子と言うよりは、
我儘でデリカシーがないイメージの方が強くてね……

島編のキングの扱いについては、
・ジャンがキングを他所に発明品の無事を心配する
・鼻をカニに挟まれて痛がっているのに誰にも心配されない

と言う場面が気分が悪かった。
脚本家がキングの核心をどう設定していたかにしろ、
視聴者の目には言葉を話せない動物の子供でしかないのに、
それを虐めて笑わせようとしていたのも話の劣化の象徴だった。

グランディス一味は大好きだった。
最初は単なるタイムボカンの二番煎じだったけど、
主人公の味方になる点が一線を画していた。
個々のキャラも良くて出るたびに話が楽しくなる存在だった。
エアトンもグランディスやサンソンとのやり取りが面白かった。
でも別に悪人ではないのにあの仕打ちは過剰だった。
最終回もナディアとジャンがくっつくのはともかく、
サンソンとマリーがくっつくのはどうも年齢的に気持ち悪い。
サンソンにはグランディス姐さんの方が良かったのに。

総合的にはイメージの良いアニメだけど、
捨て回の多さと質の低さが足を引っ張った。
もっと時間と予算を取って作れていれば
文句なしのアニメになったかもしれないね。
今だったら分割2~3クールで作っていたと思う。
劇場版は見ていない。
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